型染めのデザイン時の注意点をまとめました。
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デザイン時の注意点まとめ
入稿形式
Illustrator, Photoshop CCの最新版まで対応可能です。
その他の画像形式でも対応は可能ですが、場合によってはトレース等の別途費用が発生する場合があります。
テンプレート
平物(ハンカチや風呂敷など)の場合
サイズが案件によってまちまちのため、平物については基本的にテンプレートがありません。
大体は仕上がりサイズ+四方1cmずつで入稿いただければOKです。
50x50cm仕上がりの場合、52cmx52cmのサイズで。
四方1cmずつでない場合はイレギュラーなので、その場合は入稿前にお伝えします。
また、切れてはいけない文字やモチーフは、仕上がりサイズから2cm程度は内側に入れるようにしてください。
総柄の場合
こちらもテンプレートはありません。
縦方向、横方向にリピートをつけて入稿してください。
送り方向(柄の縦方向)のサイズが、下記の公約数になっている場合、プリントがしやすいです。
74cm, 92cm, 100cm, 108cm
展開予定の商品によって、向かないサイズがあります。
大きなエプロンを作るのに、74cmの送りにしてしまうと、途中で型口(地型が重なってできる線)が入ってしまう等。
作る商品によって最適なリピートが変わる場合があるので、確認してください。
文字
必ずアウトラインをかけてください。
コピーライトは可能な限り大きくしてください。
白地×色線、淡色地×濃色線の場合の線の太さ
要相談ラインは1pt (0.35mm)です。
推奨は1.3pt (0.46mm)以上です。
色地×白抜き線、濃色地×淡色線の場合の線の太さ
要相談ラインは1.5pt (0.35mm)です。
推奨は1.8pt (0.64mm)以上です。
細い線と広いベタが同じ色の場合
キャラクターや版権表記を細い線で表現しつつ、同じ色で背景に広いベタがあるような場合。
通常、反応染料という染料を使用して型染めを行いますが、細い線には表現性を優先して、ダイストーンというソフト顔料を使用する場合があります。
しかし、顔料はベタ場が得意でないため、同じ色でも細い線とベタ場で染め型を分ける(1型増やす)提案をすることがあります。
色の重なりについて
昔ながらの風呂敷の染め方として、わずかに色が重なるように染型を作ります。
色が重なり合って濃い線になっている部分があります。
(濃色と濃色が隣り合う部分が分かりやすいです)
これは型友禅の技法上、必ず発生するものなので、予めご了承ください。
配色
色指示はDICまたはPANTONE solid coat / solid uncoatで指示をいただくか、プリントアウトしたカラーアンプをお送りください。
同じ染型で、カラーチェンジが可能です。
但し、色を重ねて作成する技法上(7参照)、カラーチェンジには色の濃度の順番を同じにする必要があります。
例えば、ウスグレー地に紺色を染める場合、
1.ウスグレー → 2.紺 という順番で染めます。
これをカラーチェンジの際に濃度を逆転して、
1.赤 → 2.薄ピンク で染めた場合、重なりが逆転して想定よりも薄ピンクの面積が狭くなります。
ライセンス商品に関して
版権元へデザイン監修を通す前に、デザインを確認させてください。
デザイン監修後に、表現が難しい箇所などが見つかる場合も多いため。
キャラクターの髪・肌・瞳の色など、特に重要な色については事前に版権元に指定色を確認するようお願いします。
色合わせ用にいただいたカラーカンプが、そもそも版権元の希望色とズレていたために再校正ということが多く発生しています。
手ぬぐいと一部の風呂敷について
手ぬぐいと一部の手ぬぐいのみ注意点が増えます。
他の生地の場合、生地耳まで染めることは無いですが、手ぬぐいや一部の風呂敷は生地耳をそのまま利用するため。
生地耳を使う商品の場合、スケージングの際に生地の厚さ分の段差ができるため、柄がヘタりやすくなります。
生地耳部分のデザインがベタや白無地であれば特に問題はありません。
細かい柄が生地耳付近にかかるデザインは避けていただいた方がキレイに仕上がります。