フルカラー&小ロットを実現する最新機器
前田染工のインクジェットプリンターは、ミマキエンジニアリング製の機種を採用しています。
綿・レーヨン生地を反応染料インクのインクジェットで、ポリエステル生地を昇華転写で、PVC生地をUVでプリントします。
反応染料インクジェットプリント
120cm巾程度までの綿・レーヨン生地をプリントできます。
100~118cm程度の生地巾のものが多いです。
反応染料のインクが生地の糸自体に浸透し、プリント部分の生地の風合いが変わることはありません。
ロールの状態でのプリントに限ります。
プリントされた生地は、ハンカチや風呂敷などの平物、がま口や巾着などの小物へ裁断・縫製されます。
入稿データ通りに出力すると暗い色になりがちなので、希望の色に近づける調整を行います。
比較的落ち着いた色の表現が得意です。
鮮やかな発色を求められる場合には後述の昇華転写を検討いただく方が良いかもしれません。
インクは捺染(友禅)と同じ種類の反応染料なので、プリント後に蒸し・水洗・ソーピング・整理加工が必要です。
少しは生地にインクが染み込むものの、基本的には表面の薄い層までとなり、厚手の生地は裏側は白いままになります。
また、蒸し工程の影響を受けやすく、ある程度の色振れを許容する必要があります。
昇華転写
160cm巾程度までのポリエステル生地をプリントできます。
150cm前後の巾の生地が多いです。
ロールの状態でのプリントが主ですが、バスタオルやハンドタオルなど既に形状になっているものへのプリントも可能です。
ポリエステル生地になるので、拭く用途のハンカチなどにはあまり使われません。
スポーツタイプのマスクや冷感タオル、風呂敷、がま口、巾着などに加工されます。
入稿データ通りでも比較的想定に近い出力になりますが、気になる場合は調整を施すこともあります。
鮮やかなデザインの表現も得意なので、キャラクターグッズなども多くプリントしています。
プリンターで転写紙に柄をプリントした後、転写紙と生地をヒートプレス機に投入します。
約200度の熱と圧力をかけることで、転写紙にプリントされていた柄が生地に移ります。
昇華転写の生地は熱に弱く、180度程度のアイロンなどをかけてしまうとインクが再昇華し、色移りや色落ちします。
タンブラー乾燥も熱が上がるのでおすすめしません。
熱がかかっていない状態では、色落ちなどはあまり気になりません。
UVインクジェット
2022年現在、91.5cm巾のPVC生地のみプリントを行っています。
クリアな生地なので、アクリル製品などとデータの作り方は同じです。
(色のレイヤー、白引きのレイヤー)
スタンダードにPVC生地だけでポーチを作っても良いですし、PVC生地と綿生地やポリエステル生地を組み合わせた製品も作ることが出来ます。
表面にインクを吹き付け、UV(紫外線)で固着させます。
固いものに当たるとインク部分が削れる可能性があるので、内側にプリントすることをお勧めします。