前田染工の友禅染
型友禅
友禅染は元々江戸時代(西暦1700年前後)に宮崎友禅斎が広めた染めの技法で、扇子に筆を使って描く「手描き友禅」から始まっています。
明治時代に入ると、型紙と海外から導入された化学染料を用いた「型友禅」が発展しました。
型紙から、さらに量産向きにした技法がシルクスクリーン型を用いた型友禅で、前田染工ではこれを採用しています。
1.型作成
デザインを色毎に分け、スクリーン型を作成します。
昔は絹糸をメッシュとして使用していたので「シルク」という名前が付いていますが、現在はポリエステル・ナイロン・ステンレスなどがメッシュの素材として使われています。
入稿から約1週間程度で型が上がります。
※色数やデザインの複雑さによって前後します。
2.マス見本
出来上がった型を使い、調合した希望色で試し刷りします。
色見本をお送りいただくか、DICやPANTONEで指定いただいた色に合わせていきます。
入稿~型作成~マス見本で約2週間程度かかります。
3.量産
25mの捺染台が4台並んでおり、100mを1ロットとして量産の染めを行います。
1色ずつ職人がスケージ(大きなヘラ)で描いていきます。
4.蒸し・水洗・ソーピング・整理加工
生地を高温の蒸気の中に通す蒸し加工を行います。
蒸すことによって、染料を生地に定着させ、発色も良くなります。
その後、水洗で余分な染料を落とします。
ソーピングは洗剤で生地を洗い、整理加工で生地を真っすぐに整えたり風合いを良くする加工を施したりします。
洗濯・アイロンのような工程と捉えていただくと分かりやすいかもしれません。
5.検反
染め・プリントに不良箇所がないか検反します。
量産プリントから検反までは、空いている時で2週間程度、混んでいる時で1か月程度かかります。